インフルエンザと新型コロナが同時流行? ワクチンの誤情報どうする? 専門家に聞きました - 医療記者、岩永直子のニュースレター インフルエンザと新型コロナが同時流行? ワクチンの誤情報どうする? 専門家に聞きました 医療記者、岩永直子のニュースレター (出典:医療記者、岩永直子のニュースレター) |
(中略)
■ワクチンに対するデマの罪深さ
>新しいタイプのレプリコンワクチンが出てから、ワクチンに反対する人の声がますます増えましたね。影響は感じていらっしゃいますか?
私の周りの高齢者で、持病もあって接種が強く勧められるのに、尻込みする人がたくさんいましたね。問い合わせも多く、火消しが大変でした。
日本感染症学会と日本呼吸器学会と日本ワクチン学会が3学会合同で、定期接種に使われているワクチンの効果や安全性について検討し、新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨する声明を出しましたね。「被接種者が周囲の?に感染させるリスク(シェディング)はありません」とも明記しています。
ワクチンの安全性についてデマを流した政治家に対し、製薬会社のMeiji Seika ファルマが訴訟も検討すると表明したこともありました。
こういう動きがあることを説明すると、「接種した方がいいですね」と理解していただける人は多かったのですが、そういう説明を受ける機会がなかったら、「なんとなく怖いわ」とやめてしまった人もいるかもしれません。
そう考えると、根拠のない誤情報を拡散することは、リスクの高い人の健康被害を生む点で非常に罪深いと思います。
>立憲民主党の原口一博衆院議員ですが、承認され、定期接種として認められたワクチンを「生物兵器まがい」と表現していましたね。
影響力が強い方々には、科学的根拠に基づく発言と行動で感染予防に貢献していただきたいと常々思っています。
白黒の思考ではなく、リスクと利益のバランスを
>不安に思っている人にどんな言葉をかけたいですか?
詳しくは3学会の声明を読んでいただければいいのですが、一方で、「日本看護倫理学会」のような「学会」と名の付くところが、安全性と倫理性に懸念を表明するようなことをしています。一般の人には、信頼性の高い学術集団の発言に見えてしまうので、「学会が言うことは信頼性が高い」という言葉に対する信憑性を疑われかねないのが非常に残念です。
なんだか不安だなという方はとにかく、感染症学会、呼吸器学会、ワクチン学会の声明を読んでいただいければと思います。
ワクチンに対するデマが出た時に、民間の動きを待たずに、厚生労働省が速やかに「これは誤情報です」と速やかな火消しを大々的にしていただけるとよいのにと思います。
デメリットよりもメリットの方が圧倒的に大きいということがわかっていないと、そもそも薬やワクチンは承認されません。国内の承認のプロセスを経て出てきているものについては、そのことが担保されています。
薬やワクチンがどうやって承認されて、流通しているのかを、日常的に何らかの形で伝えたり、教育に組み込んだりすることが必要なのかもしれません。
そもそも薬やワクチンは安全か危険かという白黒の思考で使われているものではありません。
薬に限らず、例えば、塩や砂糖といった食べ物でも摂り過ぎや摂りなさすぎは身体によくない。私たちが日ごろ利用する色々なものにリスクが含まれていて、そのリスクとベネフィット(利益)のバランスをとりながら私たちは暮らしています。
そして、一般の人にとって判断が難しい薬やワクチンは、専門家が然るべき手続きに沿って判断している。そんなリスクベースの考え方が、リスクコミュニケーションを通して、もっと広く浸透してほしいと思います。
冬の感染症対策4つの柱
>最後にこの冬の感染症対策について、感染対策の専門家から一般の人に伝えたいことをお願いします。
咳エチケットは復活させてほしいです。「マスクはもういらないんだ!」という声を時々聞きますが、コロナ以前から呼吸器感染症の流行期には行われていた対策です。咳やくしゃみが出る時は、咳エチケットを行いましょう。
※全文は出典先で
https://naokoiwanaga.theletter.jp/posts/4edf71f0-a31d-11ef-a50b-79cf9b94bfff
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